日本人の4人に1人が鼻炎などのダニアレルギーに悩まされています。
厚生労働省の調査では、0~14歳で約40%、都市部では4才以下の子どもの約50%が何かしらのアレルギーを持っていると言われています。
ここ約30年間で気管支喘息は約10倍、アトピー性皮膚炎は5~10倍にも子どもの発症が増加してしまいました。
- うちの子も朝起きると毎日鼻水、鼻づまりになっています
- 体に湿疹ができやすくてアレルギーの薬を飲んでいます
このような悩みを持つご家庭がとても多いです。
ここでは、ダニアレルギーの症状や特徴について説明していきます。
どんな症状が出るのか傾向を確認したらダニ対策を検討したいですね。
それでは早速みていきましょう。
ダニアレルギーによる症状や特徴
ダニアレルギーの症状には以下のようなものがあります。
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
- アナフィラキシー
一つずつ説明します。
気管支喘息
ぜん息は気道に慢性炎症があるため、息が苦しくなり発作がたびたび起きます。
発作が起きると、せきが出て、呼吸が「ゼーゼー、ヒューヒュー」といったぜん鳴、呼吸困難になります。
発作を止めるには気管支を広げる吸入器を使用します。外出時はいつ発作が起きても対応できるように必ず吸入器を持ち歩く必要があります。
また、ぜん息発作が秋口に多くなる理由は、押入れにしまってあった布団や毛布を急に使うことが原因です。閉めきった押入れに6~9月に繁殖したダニが寿命により死に、アレルゲンとなる死骸、フンが大量にでます。この時季は特に布団などの掃除をこまめにしましょう。
全国の小学校、中学校、高等学校を対象にした調査結果では、ぜん息の有病率は約6%です。
約20人に1人の割合でぜん息に悩んでいる子どもがいることになります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹が慢性的に良くなったり悪くなったりします。
皮膚のバリア機能が低下しているので、外からの色々な刺激や乾燥から体の内部を守れなくなっています。
バリア機能が低下すると外からの刺激などが入りやすくなり、免疫細胞が過剰反応し炎症を起こします。
これは、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて普段よりかゆみを感じやすくなっている状況です。体をかくことでバリア機能がさらに低下して症状がどんどん悪化していきます。
アトピー性皮膚炎は、乳幼児がとても発症しやすいです。
全国の小学校、中学校、高等学校を対象にした調査結果では、アトピー性皮膚炎の有病率は約6%です。
ぜん息とほぼ同じ発症率になります。
アトピー性皮膚炎の症状がでやすい部位について
アトピー性皮膚炎の湿疹は左右対称にできることが多いです。また、肘、膝など間接の内側や首回り、頬や口周りにできます。
年代によって症状の出かたに次の特徴があります。
■乳児の場合
頭、顔、首にできやすいです。ひどくなると身体や手足にもでます。
■幼児・学童の場合
首の周り、臀部(尻)、ひじ、ひざの関節まわりが多いです。
■思春期・成人の場合
主に上半身。顔、首、胸、背中にできやすいです。
これらをチェックして湿疹が治ったりできたりしていたらアトピー性皮膚炎の可能性が高いといえます。
一度、発症したら悪化させないことが大切です。そもそもアトピー性皮膚炎が悪化する要因には何があるのでしょうか。次で見ていきましょう。
アトピー性皮膚炎が悪化する要因とは?
アトピー性皮膚炎の症状を改善させていくためには、症状を悪化させる要因が何かを知る必要があります。
症状を悪化させる要因には次のものがあります。
- ダニやカビ
- 黄色ブドウ球菌
- 汗
- ペット
- 食生活
- 生活リズム
- ストレス
これらの要因が1つまたは複数重なることで症状が悪化していきます。
アトピー性皮膚炎を放置するとどうなってしまうのか?
アトピー性皮膚炎は乳幼児がもっとも発症しやすく、適切な処置をしないでいるとぜん息などの他のアレルギーを併発する可能性が高くなります。
また、とても強い痒みから夜の睡眠をしっかり取れなくなり睡眠障害を起こします。すると日中眠くなり集中力が落ちて学習障害につながります。
しっかりとした睡眠がとれないと心身へ悪影響がでます。成長阻害による身長の伸び悩み、ストレス増大によるメンタルへの悪影響から鬱になりやすくなったりします。
メンタルの病気は治療にとても長い年月がかかる場合があります。決してアトピー性皮膚炎を放置せずに病院にかかるなどの適切な処置を心がけましょう。
アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。
鼻水の色は無色透明なのがアレルギー性鼻炎の特徴です。
鼻水が緑色や黄色っぽい場合は風邪なので分かりやすいですね。
主に花粉が原因で生じるアレルギーですが、ダニやカビ、ホコリなどのハウスダストによるアレルギー性鼻炎もあります。こちらは通年性アレルギー性鼻炎とよばれます。
鼻水、鼻づまりにより呼吸がしづらく息苦しいため、睡眠の質が落ちやすいです。アトピー性皮膚炎のように睡眠障害による日中の集中力の低下、心身への悪影響がでます。
全国の小学校、中学校、高等学校を対象にした調査結果では、アレルギー性鼻炎の有病率は最も多い約9.5%です。
約10人に1人の割合で鼻炎に悩んでいる子どもがいることになります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎の症状は、目やまぶたがかゆくなります。目をかくことで赤くなり痛みを伴います。目の中がゴロゴロした感じがでるのが特徴です。悪化するとゼリー状の目ヤニがでてきます。
主に花粉が原因で生じるアレルギーですが、ダニやカビ、ホコリなどのハウスダストによるアレルギー性結膜炎もあります。こちらは通年性アレルギー性結膜炎とよばれます。
花粉症で目が強烈にかゆくなる人は共感しやすいと思いますが、年中花粉症のような症状が続くのはとても辛いと考えられます。
こちらも前項であげたアトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎と同様に睡眠障害や心身への悪影響を引き起こしかねません。
全国の小学校、中学校、高等学校を対象にした調査結果では、アレルギー性結膜炎の有病率は約4%です。
約25人に1人の割合で結膜炎に悩んでいる子どもがいることになります。
アナフィラキシー
小児期に起こるアナフィラキシーの原因は、主に食物が原因であることが多いです。
特定の原因物質により引き起こされた全身のアレルギー症状です。嘔吐や出血性下痢、じんま疹などが発症し生命に危険が及ぶ過剰反応です。アレルゲン物質を取り込んでから人により約10分~30分以内に発症します。
その中で、血圧低下や意識障害を伴う状態をアナフィラキシーショックといいます。
日本で食物をとって起きるアナフィラキシーの原因として最も多いのは、お好み焼粉やたこ焼き粉などのミックス粉です。
症状がでてくるのが早ければ早いほど重症、遅いと軽症の場合が多いです。
アナフィラキシーの初期症状はこちらです。
口内の違和感、口周辺の痺れ、手足の痺れ、めまい、腹痛、くしゃみ、咳、意識障害、呼吸困難など様々な症状があげられます。
全国の小学校、中学校、高等学校を対象にした調査結果では、アナフィラキシーの有病率は約0.15%です。
約666人に1人の割合でアナフィラキシーに悩んでいる子どもがいることになります。
これだけ見ると、とても発症確率は低く見えます。しかし、日本は世界で2番目の症例報告が多く、死亡例もでています。
アレルギーが発症しない生活環境を意識しよう
普段の掃除を適切に、定期的に行うようにしましょう。
データを見ると小中高等学校の児童全体の約30%が何かしらのアレルギーを持っています。
家族にアレルギー症状が出ていないと、ダニは危険と言われても目に見えないダニを意識して生活環境を見直していくことは大変だと思います。
何せ目に見えないものと戦い続けるようなものですからね。
いずれの症状も一度発症すると治療に長い年数かかる場合がほとんど。症状を抑えるのに薬を毎日服用することになります。
大切な家族がアレルギーで苦しむことにならないように発症予防を心がけること。すでに有病なら発症時の迅速な対応が必要になります。
あなたもダニ活で、健やかな生活を送れるように一緒に頑張りましょう。
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